抄録
植物は20万種以上とも言われる多様な代謝産物を生合成する。これらの代謝産物は薬品や工業原料として我々の生活で非常に重要な役割を果たしている。また、生薬も大半が植物をその原料としている。これらの点から、植物代謝産物とその生合成経路は古くから関心が持たれ非常に熱心に研究がなされてきた。近年のポストゲノム時代において、植物メタボロミクスは植物オミックス研究において重要なテクノロジーとなっている。特にこれらの研究分野において、植物に焦点を当てたパスウェイと代謝産物を統合したリソースは極めて重要である。
KEGG PLANTは植物代謝経路を要約したoverview map と subcategory mapなどの代謝マップ情報、植物二次代謝産物や植物代謝産物由来の半合成医薬品の階層分類情報を含むKEGGデータベースの新しいインターフェースである。要約マップでは、植物の主要な二次代謝経路が全体あるいは主要な代謝経路カテゴリ別にまとめている。KEGG PATHWAYの植物二次代謝経路もこれらのoverview map や subcategory mapとリンクし継続的に新しい知見を取り込み最新の情報に更新されている。また、KEGG PLANTの情報は半合成医薬品の階層分類などを介してKEGG DRUGの情報ともリンクしている。これらの有用な情報は植物研究の有用なリソースとして有用と期待される。