抄録
近年、質量分析装置の技術躍進に伴い、植物体内の代謝物質をGC-MSやLC-MSで網羅的に解析するメタボローム研究が盛んに行われている。
本研究では、植物体内に含まれる多くの物質がイオン性物質であることに着目し、キャピラリー電気泳動による分離および四重極-飛行時間型質量分析装置(Capillary Electrophoresis Electrospray Quadrupole Time Of Flight mass spectrometry; CE-ESI-QTOF)を用い、植物体内に比較的多く存在するアミノ酸や有機酸などの一次代謝物質、また内生量の極めて少ない植物整理活性物質を同時に定量解析することを試みた。
本年会では、CE-ESI-QTOFを用いてシロイヌナズナの葉中における陰イオン性代謝物質の網羅的分析を行った結果について報告する。