日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

van Krevelen diagram を用いた新規メタボローム解析ツールの開発
甲斐 光輔北野 真也安田 周平高橋 弘喜庄條 昌之櫻井 望鈴木 秀幸柴田 大輔金谷 重彦*太田 大策
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 1021

詳細
抄録
FT-ICR/MS (フーリエ変換イオンサイクロトロン型質量分離装置) は超高分解能を有し,化合物の分離操作を行わずに生体内の代謝物を包括的,かつ高速に解析することが可能である.我々はこれまでに FT-ICR/MS 分析を基盤としたメタボロミクスを実施してきたが,化学構造に関して得られる情報を豊富にすることにより,バイオマーカー発見や遺伝子機能解析等に利用する上でさらなる発展が望まれる.そこで FT-ICR/MS によってのみ取得可能な超精密質量値から,化合物の元素組成式が予測可能であることを利用し,元素組成式中の元素数比 O/C に対して H/C をプロットする van Krevelen diagram を用いるメタボローム解析手法の開発に着手した.van Krevelen diagram にプロットされた点は元素組成式,すなわちメタボライトに対応し,点と点をつないだ線は酵素活性,さらに線と線をつなぐと代謝経路を示すと定義する.本法で代謝動態変化を元素組成変化として網羅的に解析することにより,マーカーメタボライトの発見と,その生成に関与する酵素活性,基質化合物,代謝経路の特定へと結びつくことが期待される.本発表では,van Krevelen diagram を用いたメタボローム解析ツールの整備およびその応用例について示す.
著者関連情報
© 2009 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top