抄録
科学を社会へ伝えるという活動はこれまでにも様々な形で行われてきた。大学や研究機関などで開催されるシンポジウムや市民公開講座、雑誌、インターネットなどがその例であり、研究者の主な情報発信場所でもある。しかし近年は、科学技術の持つ倫理的・法的・社会的問題について社会全体で議論する必要が指摘されており、一方向の情報伝達だけでなく、研究者と一般市民との双方向のコミュニケーションの重要性が指摘されている。その結果、双方向コミュニケーションを取り入れたアウトリーチ活動も徐々に行われるようになっている。その活動の一つとして、サイエンスカフェが挙げられる。
サイエンスカフェは「飲み物片手に科学について議論する」という活動で、イギリスやフランスを起源とし、今や世界的に行われている。日本でもサイエンスカフェは急速に展開され、「専門家と非専門家との対話」や「気軽に科学に触れられること」、「少人数」という特徴を持つ。サイエンスカフェは、双方向性を持つ活動として、アウトリーチ活動としてだけでなく、様々な団体により開催されている。
本大会では、市民講座の開催など社会に向けた活動も行っている日本植物生理学会との共催で行ったサイエンスカフェの概要を報告する。この活動が日本植物生理学会として、植物科学と社会の関係を考える場、そして社会へ向けた新たな活動の場の一つとなりうることを提案したい。