日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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概日時計による形態制御ネットワークにおけるハブ蛋白質存在の可能性とその役割
*溝口 剛
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p. S0049

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抄録
形態形成や生理応答を含む多くの生命現象が、「約24時間周期の内因性リズムをうみだす概日時計」による制御を受けている。植物においても、ライフサイクルの中で花器官をつくるタイミング(1、2)や、明暗周期下における胚軸・葉柄・節間の伸長制御(3)、さらには葉の形が、概日時計の制御下にあることが分かってきた。これまでのシロイヌナズナに関する分子遺伝学研究の成果により、数多くの概日時計関連遺伝子が単離・同定されてきた。これらの遺伝子群の多重変異体の解析から、概日時計による形態統御には、光応答や植物ホルモン応答など、さまざまな情報伝達系が複合的に関わっていると考えられ、巧妙なネットワーク制御の存在が想定される。
本発表では、シロイヌナズナの2つの時計遺伝子LHYとCCA1の二重変異体lhy;cca1の多面的な変異形質に着目し、これらの複数の変異形質発現に関与する遺伝子の実例を紹介する(4)。「形態形成制御ネットワーク上のハブタンパク質」の存在の可能性と意義について議論する。
(1)Mizoguchi et al., Dev Cell 2002
(2)Mizoguchi et al., Plant Cell 2005
(3)Niinuma et al., Plant Biotech 2008
(4)Fujiwara et al., Plant Cell 2008
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© 2009 日本植物生理学会
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