抄録
世界の海洋の中でも北極海や南極海は非常に高い植物プランクトンバイオマスと基礎生産力を持つことが知られている。これら極域海洋において、地球温暖化の影響とされる海洋環境変動が現れている。北極海においては2007年9月に過去最小の海氷面積を記録し、南極海においては棚氷流出が報じられた。このような大規模な海洋環境の変化は生息する植物プランクトンの光合成にも影響を与えると考えられるため、その変化をモニタリングすることは重要である。しかしながら、極域海洋における連続した調査は困難なため、リモートセンシングによる植物プランクトンバイオマスや基礎生産力の分布推定が利用されている。本講演では、リモートセンシングによって得られた極域海洋における植物プランクトンバイオマスおよび基礎生産力の分布と変動について紹介する。