日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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ジャスモン酸信号伝達における三量体型Gαタンパク質の機能解析
*岡本 晴子ゲーベル コーネリアカパー リチャードソーンダース ナイジェルフェウスナー イヴォナイト マーク
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p. 0028

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抄録
三量体型G-タンパク質は、α、β、γサブユニットで構成され、植物においてはジベレリンやABAの信号伝達で機能することが知られる。シロイヌナズナのゲノムには、予想される三次構造が酵母や動物のサブユニットそれぞれと高い類似性を示す一分子のα、β、とニ分子のγサブユニットがコードされる。野生型とGα変異体の芽生えにおいて、シロイヌナズナのAffymetrixアレイを用いて遺伝子発現を解析したところ、ジャスモン酸信号伝達に関わる遺伝子群が野生型と異なる発現を示した。そこで、Gα変異体とOverexpressorを用いて、これらのジャスモン酸存在下での表現型と、合成および信号伝達に関る遺伝子発現を解析した。また、グローバルな遺伝子発現についても、野生型とGα変異体を用いて解析し、野生型においてジャスモン酸の制御を受ける遺伝子群のうち29%の発現が、変異体で統計的に有意に異なっていた。これらの結果から、三量体型Gαタンパク質がジャスモン酸信号伝達の少なくとも一部に関わることが示唆された。
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© 2010 日本植物生理学会
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