日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

ストリゴラクトンによる腋芽伸長抑制メカニズムの解析
水口 皓介安野 奈緒子ルオ ル亀岡 啓小林 薫梅原 三貴久花田 篤志上野 琴巳浅見 忠男山口 信次郎*経塚 淳子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0100

詳細
抄録
腋芽の伸長制御に対する植物ホルモンの作用は古くから解析されており、特に、オーキシンとサイトカイニンの関与がよく知られていた。一方、変異体を用いた遺伝学的解析や接木実験から腋芽の伸長を抑制する新規ホルモンの存在が示唆されるようになり、最近、そのホルモンの実体がストリゴラクトンであることが示された。植物ホルモンとしてのストリゴラクトンの作用は、腋芽の伸長抑制だけではなく、発芽、老化、光形態形成など多岐にわたると考えられるが、詳細の解明は今後の課題である。腋芽の伸長抑制作用についても、その作用の実体は分かっていない。
イネの5つのわい性変異体(d3、d10、d14、d17、d27 )では、ストリゴラクトン合成あるいは受容や信号伝達が正常に行なわれないために腋芽の伸長が抑制されない。また、イネfinculm1(fc1) 変異体でも、d 変異体と同様に腋芽が過剰に伸長する。FC1はトウモロコシteosinte branched1 (tb1) のオーソログであり、TCPドメインを持つ転写調節因子をコードする。
ストリゴラクトンの腋芽伸長抑制作用を明らかにするために、まず、これら変異体の表現型を詳細に解析した。さらに、FC1 とストリゴラクトンの関係についても解析を行った。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top