日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナ保存型RAB5のエフェクター解析
*桜井 一伊藤 瑛海中野 明彦上田 貴志
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p. 0122

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抄録
RABはそれぞれ異なるオルガネラ膜上に局在し,GTP結合型とGDP結合型をサイクルすることで下流因子(エフェクター)の機能発現を調節する.なかでもRAB5は多彩なエフェクター分子を介して,初期エンドサイトーシスにおける複雑な小胞輸送制御の一端を担うことが動物で明らかにされている.陸上植物には植物特異的RAB5と真核生物に共通の保存型RAB5の2種類のRAB5が存在するが,動物と共通するエフェクターは見出されておらず,植物が独自のエンドサイトーシス機構を発達させてきたことが窺える.なかでも保存型RAB5の機能欠損は配偶体致死となることから,その機能の重要性は明らかである.そこで我々は,保存型RAB5の機能発現機構を明らかにするため,エフェクター候補を酵母ツーハイブリット法により探索した.その結果,リン脂質結合能を有するEREX1(Endosomal Rab Effector with pX-domain)を単離した.また,シロイヌナズナにはEREX1の類似遺伝子としてEREX2EREX3が存在する.EREXメンバーとポストゴルジ小胞輸送経路で機能する各種RABとの相互作用能を検討した結果,EREXメンバーは組み合わせの異なる複数のRABと相互作用する可能性が示唆された.本発表では,このEREXメンバー間における,機能の冗長性と差異について報告する.
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© 2010 日本植物生理学会
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