日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナの葉の発生に関わるAS1AS2BPETTとは独立にYAB5を抑制する
*岩川 秀和高橋 広夫岩崎 まゆみMazet Remi小島 晶子池崎 仁弥上野 宜久小林 猛町田 泰則町田 千代子
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p. 0146

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抄録
葉は茎頂メリステムから発生し、三つの軸、すなわち基部先端部軸・向背軸・中央側方軸に沿って成長する、扁平で左右相称的な器官である。シロイヌナズナのasymmetric leaves1 (as1)とas2変異体はこの三つの軸すべてに異常を示し、左右非対称的な葉身の切れ込みや上偏成長、弱い背軸側化、基部先端部軸方向の成長抑制が認められる。我々はこれまでに、マイクロアレイとクラスタリング解析からAS1AS2BPETTYAB5を抑制していることを明らかにした。さらにAS1AS2は、class 1 KNOXETTに機能欠損変異があってもBPETTYAB5を抑制することを報告した。今回、YAB5の機能欠損変異体を得たのでその解析結果を報告する。yab5as1 yab5as2 yab5におけるBPETTの発現レベルをreal-time PCRによって調べた結果、YAB5に変異があってもAS1AS2BPETTを抑制しているという結果を得た。これらの結果はAS1AS2が独立の経路でBPETTYAB5を抑制していることを示している。変異体の表現型を調べたところ、yab5変異はas1as2の葉の表現型異常に大きな影響を及ぼさなかった。YAB5の過剰発現植物を作成したところ、葉身の向背軸異常が認められた。これらの結果もあわせて報告したい。
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© 2010 日本植物生理学会
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