日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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コムギ無細胞翻訳系を用いたタンパク質ミリストイル化修飾の配列特異性の解析
*山内 清司林 秀則戸澤 譲
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p. 0158

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抄録
脂肪酸によるタンパク質の修飾は、膜への移行やタンパク質同士の相互作用の変化など、タンパク質の機能制御に重要な役割を果たしている。ミリストイル化は、脂肪酸の一種のミリスチン酸がタンパク質N末端に付加する真核生物の翻訳後修飾系の一つである。前回我々は、コムギ無細胞翻訳系を用いたタンパク質ミリストイル化修飾系の構築について報告したが、引き続き、この系を用いて植物ミリストイル化コンセンサス配列の特異性を明らかにする目的で研究を進めてきた。まずMGXAA(A/S)AAAA(Xは任意のアミノ酸残基)からなるミリストイル化コンセンサス配列を融合させたシロイヌナズナのGタンパク質γサブユニット(AGG1)をミリスチン酸存在下において無細胞翻訳系により合成し、コンセンサス配列の3番目と6番目のアミノ酸残基の関係を解析した。その結果、ミリストイル化が確認されたのは、6番目がAlaの場合は3番目がAsnとGlnのみであったのに対し、6番目がSerの場合は3番目の選択性が広がり、12種類のアミノ酸残基でミリストイル化が認められた。現在、他のアミノ酸残基の置換による選択性および開始メチオニン除去との関連をより詳細に調べており、これらの結果もあわせて報告する。
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© 2010 日本植物生理学会
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