日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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ツベロン酸グルコシドグルコシダーゼアイソザイム間の酵素学的諸性質の比較
*和久田 真司濱田 茂樹伊藤 浩之松浦 英幸鍋田 憲介今井 亮三松井 博和
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p. 0159

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抄録
ツベロン酸 (TA) およびツベロン酸グルコシド (TAG) は馬鈴薯の塊茎を誘導する化合物である.これらはジャスモン酸から合成され,多くの植物に存在しているが,代謝に関わる酵素はほとんど明らかになっていない.我々は,これらの酵素の解析を行うことにより,馬鈴薯以外の植物において TA および TAG の生理的役割を解明することを目指している.これまでに,イネにおいて TAG が TA に加水分解されていること見出した.さらに,TAG に特異性が高い TAG グルコシダーゼ (OsTAGG1) を同定した.本発表では,OsTAGG1 のアイソザイム (OsTAGG2) の酵素学的諸性質を明らかにし,OsTAGG1 と比較を行った.精製した OsTAGG2 は OsTAGG1 と 85% の同一性を持つグルコシダーゼであった.OsTAGG2 の基質特異性を調べたところ,OsTAGG1 と同様,TAG の類縁化合物以外に対してほとんど活性を示さなかった.これらの結果から,OsTAGG2 も TAG を加水分解するグルコシダーゼであると考えられた.OsTAGG1 および OsTAGG2 の生理的な役割を解明するために,傷害などのストレス応答時における発現解析を行っており,その結果についても併せて報告する.
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© 2010 日本植物生理学会
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