日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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緑色硫黄光合成細菌から新規に単離したMGDG合成酵素はシロイヌナズナMGDG合成酵素の変異を部分的に相補する
*増田 真二原田 二朗横野 牧生下嶋 美恵室伏 和博湯澤 優一村川 雅人近藤 真紀西村 幹夫大岡 宏造田中 歩民秋 均太田 啓之
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p. 0223

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抄録
新規のmonogalactosyldiacylglycerol (MGDG)合成酵素遺伝子を緑色硫黄光合成細菌Chlorobaculum tepidum (近年Chlorobium tepidumより改名)から単離した。この遺伝子mgdAは、分子量約49kDaのタンパク質をコードしており、緑色硫黄細菌に広く保存されていた。大腸菌で発現したMgdAは、UDP-Galactoseを基質としたMGDG合成活性を示した。MgdAは現在までに同定されたMGDG合成酵素とは一次構造上相同性が無く、新規のMGDG合成酵素と考えられた。C. tepidummgdAの変異体は単離できず、この遺伝子は生育に必須の遺伝子と考えられた。
葉緑体局在配列を付加したMgdAをシロイヌナズナのMGDG合成酵素変異体に導入したところ、MGDG量が野生型ほどに回復した。しかしながらその相補体は、クロロフィル量の減少、葉緑体構造の異常、不稔性、頂芽優勢の破綻、花の形態の異常等の表現型を示した。このことは植物型MGDG合成酵素の、未知の機能の存在を示唆している。その機能を議論する。
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© 2010 日本植物生理学会
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