日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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オオイヌノフグリ青色花弁の主要アントシアニンおよびコピグメントの生成に関与する配糖体化酵素、UGT94F1およびUGT88D8の同定
*小埜 栄一郎類家 美穂岩下 孝野本 享資福井 祐子
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p. 0239

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抄録
我々は早春に開花するゴマノハグサ科オオイヌノフグリ(Veronica persica)の青色花弁から主アントシアニン色素としてDelphinidin 3-O-(2-O-(6-O-coumaroyl)-glucosyl)-6-O-coumaroyl-glucoside-5-O-glucosideと主コピグメントとしてApigenin 7-O-(2-O-glucuronosyl)-glucuronideを単離同定した。この主コピグメントはこのアントシアニン色素に対して顕著なコピグメント効果を示すことが認められた。これらのフラボノイド色素の生合成に関わる配糖体化酵素遺伝子の同定を試みた。逆遺伝学的手法により単離したVpUGT94F1はアサガオのIn3GGT(UGT79G16)遺伝子と相同性を有し、Delphinidin 3-O-glucosideのグルコースの2位に対するグルコシル化活性を示し、Delphinidinアグリコンには活性を示さなかった。またVpUGT88D8はキンギョソウのAmF7GAT(UGT88D4)と相同性を有し、Apigeninの7位に対するグルクロノシル化活性を示した。VpUGT94F1VpUGT88D8遺伝子は共に花弁において強く発現しており、それぞれアントシアニンと補助色素の生合成を介して花弁の青色発現に関与していると示唆された。
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© 2010 日本植物生理学会
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