日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナの疑似レスポンスレギュレーターは生物時計で機能する転写抑制因子である
*中道 範人木羽 隆敏Henriques Rossana水野 猛Chua Nam-Hai榊原 均
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p. 0274

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抄録
シロイヌナズナの概日時計は時計関連遺伝子群の24時間周期の転写フィードバックで成り立つと考えられている。疑似レスポンスレギュレーター「PSEUDO―RESPONSE REGULATORPRR)」は生物時計に関連した機能を持つ事が示唆させているが、PRRの分子機能は不明であった。
今回私たちは、PRR9、PRR7、PRR5タンパク質がCIRCADIAN CLOCK―ASSOCIATED1CCA1)とLATE ELONGATED HYPOCOTYLLHY)遺伝子の転写抑制因子であることを報告したい。グルココルチコイドで機能誘導されるPRR5―GRは直接的にCCA1LHYの発現を抑制した。さらにシロイヌナズナの一過的遺伝子発現系によって、PRR9、PRR7、PRR5のCCA1LHYのプロモーター活性に対する抑制効果が発見され、PRR9、PRR7、PRR5の転写抑制モチーフも同定された。またクロマチン免疫沈降法により、PRR9、PRR7、PRR5は植物体内でCCA1LHYのプロモーター上に存在することが分かった。これらPRRがCCA1LHYプロモーターに存在している時間帯と、CCA1LHYが発現抑制される時間帯は一致(午前から夜半)していた。以上の結果とprr多重変異体などの解析を踏まえて、PRR9、PRR7、PRR5の時計機構での働きを考察したい。
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© 2010 日本植物生理学会
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