日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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次世代シーケンサーを活用したイネトランスクリプトーム解析パイプラインの開発
*川原 善浩坂井 寛章脇本 泰暢水野 浩志松本 隆伊藤 剛
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p. 0287

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抄録
我々はIllumina社のGenome AnalyzerとmRNA-seq法によって解読した大量のイネトランスクリプトーム由来のショートリードの解析パイプラインを開発した。本解析パイプラインでは、複数のマッピングプログラムに対応し、結果はタブ区切りのテキストやGFFなどのフォーマットで出力される。また、既知の遺伝子構造とともにSNPsやシーケンシングエラーなどの詳細なマッピング結果を視覚的に提供するショートリードビュアーを開発した。本解析パイプラインは、マッピングと同時にBowtie、TopHat、Cufflinksプログラムを用いて、ショートリード情報に基づいた新規遺伝子予測を行う。さらに、それぞれの既知・新規遺伝子について、補正された遺伝子発現量(number of Reads Per Kilobase of the exon models per Million of the mapped reads; RPKMs)を推定し、異なるサンプル間や遺伝子間での遺伝子発現プロファイルの比較を可能とする。本発表では、我々の解析パイプラインを用いて行った、非生物学的ストレス(塩ストレスなど)に応答して発現量が変化するイネ遺伝子の網羅的探索研究について紹介し、mRNA-seq解析の再現性や遺伝子発現量の測定にはどのくらいの配列情報が必要かという点についても議論する。
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© 2010 日本植物生理学会
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