日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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赤外線レーザーを用いたシロイヌナズナの局所的遺伝子発現誘導
*浦和 博子亀井 保博出口 友則弓場 俊輔高橋 卓岡田 清孝
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p. 0295

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抄録
シロイヌナズナにおいて、ステロイドホルモン、エタノール、ヒートショック等による部分的な遺伝子発現誘導系を利用した研究は行われているが、「任意の細胞で」遺伝子を発現させるのは難しい状況にある。
生体内の単一細胞で「任意のタイミングで」、「任意の細胞で」目的の遺伝子を発現させることができれば、細胞のマーキングによる系譜解析だけでなく、遺伝子機能解析、細胞間シグナル伝達機構の解析なども可能となる。これを達成するために熱ショック応答機構を利用した新しい研究ツールInfrared laser evoked gene operator (IR-LEGO)が開発され、線虫をモデルにその有用性が報告された(Y. Kamei et al. Nat. Methods 2009) 。
IR-LEGOはすべての生物に共通するストレス応答機構である熱ショック応答を利用している。植物においても、加熱により熱ショックプロモーター(HSPプロモーター)下流の遺伝子を誘導可能であり、既に様々な研究に用いられている。
今回、我々はこのIR-LEGOがシロイヌナズナにも応用可能であるかを検討した。HSP 18.2 promoter : GUSのトランスジェニックシロイヌナズナ実生を用いて、様々な条件で赤外線レーザーを照射し、実生側根において、1細胞での局所的な遺伝子発現が可能であることを確認した。
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© 2010 日本植物生理学会
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