日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

CASTOR, POLLUX, DMI1の機能的相補解析
*韓 路Venkateshwaran Muthusubramanian下田 宜司Otegui Marisa S.Ane Jean-Michel今泉(安楽) 温子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0300

詳細
抄録
マメ科植物は根粒菌と菌根菌と共生することができる。2つの共生系を制御する宿主遺伝子群は共通シグナル伝達経路(CSP)と呼ばれている。CASTORPOLLUXはミヤコグサのCSPに属するイオンチャネルであり、高い相同性を示しながら、それぞれの単独変異によりミヤコグサは共生能を失う。一方、タルウマゴヤシでは、POLLUXオルソログであるDMI1のみが共生遺伝子として同定されていた。新たにタルウマゴヤシESTライブラリより単離されたMtCASTORのRNAi解析から、MtCASTORは共生過程に関与しないことが示された。さらにDMI1はミヤコグサcastor pollux二重変異体を相補したことから、DMI1は進化過程において、CASTOR及びPOLLUXの機能を集約的に獲得したと考えられる。
チャネルフィルター領域のアミノ酸配列比較から、1アミノ酸残基の違い~CASTOR(Ser)、POLLUX(Ser)、DMI1(Ala)が見出された。当該残基をAlaに置換したCASTOR(Ala)とPOLLUX(Ala)による相補解析の結果、POLLUX(Ala) は単独でcastor pollux二重変異体を相補した。タルウマゴヤシdmi1変異体へのCASTORPOLLUXの機能相補結果も併せ、CASTOR・POLLUX/DMI1・MtCASTORの機能進化と喪失についての仮説を提唱する。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top