日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

ダイズにおける環境ストレス応答性転写因子GmDREBの機能解析
*森脇 崇関田 佐知子吉田 拓実戸高 大輔溝井 順哉篠崎 一雄篠崎 和子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0317

詳細
抄録
シロイヌナズナのDREBは、シス因子DRE/CRTに結合し、乾燥・高温・低温などの環境ストレス応答性遺伝子の発現を制御している転写因子で、高度に保存されたAP2/ERFドメインを持っている。我々は食料や飼料として重要な作物であるダイズの環境ストレス耐性能を高めることを目的として、ダイズのDREB遺伝子の機能解析を行っている。
ダイズのDREB様遺伝子を探索するため、ダイズの植物体に乾燥、塩、低温ストレスを与え、オリゴマイクロアレイ解析を行った。同定されたストレス誘導性遺伝子の中からAP2/ERFドメインを有するタンパク質をコードする6個の新規のダイズDREB様遺伝子を見いだした。シロイヌナズナ葉肉細胞を用いたトランジェント発現解析により、このうち2つの遺伝子が転写活性化能を持つ転写因子をコードしていることが示され、これらをGmDREB1A、GmDREB2Aと名付けた。ダイズ茎細胞を用いたトランジェント発現解析を行った結果、この2つの転写因子はダイズ細胞中で核に局在し転写活性化能を持つことが示された。GmDREB2Aの植物中での機能を解析するため、シロイヌナズナ過剰発現体を作製し表現型を解析した。その結果、熱ストレス誘導性遺伝子の発現が上昇し、熱ストレス耐性能が向上していることが示唆された。現在、この過剰発現体を用いて、他の環境ストレスに対する表現型について解析を進めている。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top