日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナの乾燥ストレス応答に関わるプロテインホスファターゼHAIの解析
*仲宗根 尚子藤田 泰成吉田 拓也城所 聡小平 憲祐平山 隆志篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 0319

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抄録
乾燥ストレスを受けると、植物細胞内のアブシシン酸(ABA)濃度が上昇し、それによって多数の乾燥ストレス応答性遺伝子の発現が誘導されると考えられている。ABA存在下では、ABA受容体であるPYR/PYL/RCARファミリータンパク質がグループA プロテインホスファターゼ2C(PP2C)と複合体を形成し、これによってPP2Cによる負の制御が解除されSnRK2プロテインキナーゼが活性化される。3個のSnRK2プロテインキナーゼ(SRK2D/SnRK2.2、SRK2E/SnRK2.6およびSRK2I/SnRK2.3)はAREB1などの多数の転写因子を正に制御し、また、AREB1などのAREB/ABF転写因子(AREB1/ABF2、AREB2/ABF4およびABF3)はABA応答(ABRE)配列を介して多数のABA/乾燥ストレス応答性遺伝子の発現を制御していることを示してきた。本研究では、ABA処理時に2種類の機能欠損三重変異体srk2d srk2e srk2iおよびareb1 areb2 abf3において野生型植物に比べて顕著に発現誘導が抑制されていたグループA PP2C遺伝子のうち、特に栄養成長期の野生型植物においてABA処理により強く発現誘導がみられた遺伝子をHAIhighly ABA-induced PP2C1HA12およびHAI3と名付けてその機能解析を行った。
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© 2010 日本植物生理学会
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