日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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大気中二酸化窒素の植物バイタリゼーション原因遺伝子の解析
*高橋 美佐柏原 俊一古橋 孝将坂本 敦森川 弘道
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p. 0328

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抄録
植物を環境基準濃度の二窒素酸化物(NO2)を含む空気中で栽培(+NO2)すると、NO2を含まない空気中での栽培(-NO2)に比べ、植物の生育やバイオマス量が顕著に増加する。このNO2 の植物バイタリゼーション作用(Takahashi et al., New Phytologist 168:149-154, 2005)は、シロイヌナズナを含め各種植物種で認められた。この原因遺伝子を明らかにするために、シロイヌナズナのトランスクリプトーム解析を行った。本発表では、+NO2で発現量が増加(2倍以上)する遺伝子の T-DNA 挿入変異体の解析結果について報告する。
T-DNA 挿入変異体を<5 ppb NO2、22 ± 0.3oC、相対湿度70 ± 4%、人工照明下(40 μmole photon m-2 s-1)、360 ppm CO2の制御条件下で1週間栽培した後、NO2を含む(50 ppb)または含まない(<5 ppb)空気中で3週間栽培した。その後、各個体のバイオマス量を測定し、バイタリゼーション指数を求めた。その結果、バイタリゼーションが消失した変異体(vita1)が見いだされた。この遺伝子についてさらに解析を進めるため、過剰発現および発現抑制した 35S:VITA1 および amiR-VITA1 植物を作出した。これらの植物の解析結果について報告する。
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© 2010 日本植物生理学会
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