日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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光受容体シアノバクテリオクロム TePixJ の点変異導入解析
*石塚 量見成川 礼河内 孝之池内 昌彦
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p. 0334

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抄録
我々はシアノバクテリアがもつ新しい光受容体シアノバクテリオクロムの解析を進めている。シアノバクテリオクロムは開環テトラピロールを結合し、可逆的な光変換を示すが、植物のフィトクロムと異なる分光特性を示す。我々は Thermosynechococcus elongatus がもつシアノバクテリオクロム TePixJ が青色光と緑色光の光可逆変換を示すこと、 TePixJ の発色団がフィコビオロビリン (PVB) であること、PVB は TePixJ 自身がフィコシアノビリン (PCB) を異性化し作り出すことを報告してきた。今回、重要と思われる残基をアラニン残基に点変異導入したTePixJ の解析結果を報告する。E497A 変異体は青緑色光可逆変換を示し、その PVB 異性化効率、光変換効率は野生株と変化なかったが、光変換時に少なくとも2成分の不活性成分が生じた。 D492A 変異体は青緑色光可逆変換を示したが、光変換活性成分は野生株より低く、PVB 異性化効率も悪かった。 H523A変異体の PVB 異性化効率に変化はなかったが、H523A 変異体は青色光 (~430 nm) と橙/赤色光 (560~630 nm) の光可逆変換を示すようになった。これらの結果から、各アミノ酸残基が TePixJ の機能にどのように関わっているか議論する。
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© 2010 日本植物生理学会
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