日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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海洋性珪藻CO2応答性プロモーターの光応答
*大野 直樹山敷 亮介松田 祐介
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p. 0338

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抄録
海洋性珪藻Phaeodactylum tricornutumの葉緑体局在carbonic anhydraseの1つPtCA1の発現は環境CO2濃度及び光に転写レベルで応答しており、高CO2環境下及び暗闇環境下では抑制されている。現在までにptca1プロモーター(Pptca1)のCO2応答性コア領域から3つのCO2応答性配列CO2/cAMP response element (CCRE1-3)が同定されており、さらに、Pptca1におけるCO2応答がcAMPをセカンドメッセンジャーとしていることが明らかとなっている。しかし、光応答に関わる配列はまだ同定されていない。本研究では、Pptca1における光応答配列を同定した。先行研究においてCCRE2, 3近傍領域に光応答配列が存在することが示唆されていたため、CCRE2, 3近傍の1塩基置換によるGUSレポーターアッセイを行った。その結果CCRE2, 3が光応答配列であることが明らかとなった。さらに上流において光応答配列を探索した結果、CCRE1も光応答配列であることが明らかとなり、Pptca1における光応答配列はCO2応答配列と完全に一致するという結果となった。また、cAMPのアナログであるdbcAMPを用いて光応答におけるcAMPの関与を検討した結果、光応答においてもcAMPがセカンドメッセンジャーであることが示された。
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© 2010 日本植物生理学会
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