日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

イネフロリゲンHd3aタンパク質の機能ドメイン解析
*田岡 健一郎島田 千尋柳瀬 朋子大木 出辻 寛之児嶋 長次郎島本 功
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0447

詳細
抄録
フロリゲンは、日長変化に応じて葉で合成され、篩管を通って茎頂に運ばれ、花成をひきおこすホルモンとして提唱されたが、その分子実体は長い間不明であった。しかし、近年の分子遺伝学的解析からイネHd3a (シロイヌナズナFT)タンパク質がフロリゲンであることが強く示唆された。Hd3a/FTや、それらと拮抗的に働くRCN/TFL1タンパク質は、生物界で広く保存されているPEBPファミリーに属するが、花成制御における分子機能はいまだ不明の点が多い。そこで、本研究ではHd3aの変異解析を行い、その分子機能の理解を目指した。
これまでに知られている植物PEBP遺伝子の変異アリルや植物PEBPタンパク質ファミリー間のアミノ酸保存度や立体構造情報を基に種々の変異Hd3a遺伝子を作製し、それらを発現ベクターに導入した。そして、それらの変異Hd3aタンパク質とHd3a相互作用因子との相互作用強度をY2H法で検討した。また、イネ培養細胞を用いた一過的発現系を用いて、変異Hd3aタンパク質による転写活性化能を検定した。その結果、イネGF14やイネFDとの相互作用領域、標的遺伝子の転写活性化に影響する領域が同定された。以上の結果を基にフロリゲンの花成促進作用の分子機構について議論する。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top