日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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イネフロリゲンHd3aタンパク質の分子機能の構造的基盤
*大木 出林 こころ古板 恭子深田 はるみ田岡 健一郎辻 寛之島本 功児嶋 長次郎
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p. 0448

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抄録
フロリゲンは、花芽形成に適した日長におかれた植物の葉において作られ、茎頂に運ばれることにより花成を促進する花成ホルモンとして約70年前に提唱された物質である。近年、その実体がHd3a/FTタンパク質であることを強く示唆する結果が得られているが、Hd3a/FTによる花成制御機構にはいまだ不明な点が多い。そこで、本研究ではイネフロリゲンタンパク質Hd3aおよびその相互作用因子の立体構造解析を行い、その分子機能の構造的基盤の解明を目指した。
Hd3aタンパク質は大腸菌による通常の調製法では収量が少なく、構造決定が困難であった。そこで大腸菌を用いた新規低温発現系pCold-GSTシステムを開発し、Hd3aタンパク質の収量を大幅に向上させることに成功した。精製されたHd3aタンパク質を用いて構造解析を行い、立体構造決定に成功した。さらにYeast Two-Hybrid法によって同定されたHd3a相互作用因子について、NMR法、等温滴定型熱量計、GSTプルダウン法を用いて相互作用解析を行った。これらの結果から得られたフロリゲンタンパク質による新たな花成制御メカニズムについて議論する。
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© 2010 日本植物生理学会
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