日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

シロイヌナズナにおけるPIF4/5依存性光形態形成の分子機構:Web検察を用いた新しいアプローチの試み
*国広 篤史山篠 貴史水野 猛
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0514

詳細
抄録
シロイヌナズナにおいては、光形態形成や光周性花成などの光シグナル応答に関して膨大な基盤が確立されつつある。その中で注目されているのが、phyBと直接相互作用するbHLH型転写因子PIFファミリーである。中でもphyBのみならず概日時計及びジベレリン(GA)の制御下にもあるPIF4/5の働きは重要であり、phyB・時計・GA → PIF4/5 → 光形態制御(忌陰反応を含む)の分子機構が明らかになりつつある。しかし、PIF4/5の下流で働く因子(X)は不明である。今回はXの有力候補(ホメオドメイン型転写因子ATHB2)を同定したので報告する。
シロイヌナズナにおいて多くの情報伝達経路が明らかにされている。しかし一般論として、これら情報伝達経路は下流になるほど関連因子が多様に分散する傾向にある。したがって、マイクロアレイなどの解析が試みられているが下流因子の同定に至った例は少ない。そこで今回は新しいアプローチを試みることにした。(1) PIF4/5の下流で機能する因子が満たすべき性質をできるだけ多数設定する。(2) シロイヌナズナ遺伝子群に関して蓄積された膨大な知見をWeb検索して、設定した諸条件を過不足なく満たす候補遺伝子をイン・シリコで推定する。(3) それを実験的に検証する。この新しいアプローチの有効性を示しつつ、PIF4/5依存性光形態形成分子機構に関して考察する。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top