日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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ミヤコグサの光形態形成及び花成制御遺伝子群のゲノムワイド俯瞰と解析
*小野 奈津子石田 快山篠 貴史水野 猛
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p. 0515

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抄録
光形態形成と花成制御は顕花植物にとって最も重要な成長制御機構の一つである。その分子機構に関しては、シロイヌナズナを中心とした研究から膨大な基礎的知見が蓄積しつつある。また、多数の関連遺伝子群の機能に関する知識基盤が確立されつつある。しかし、植物の光応答や花成応答は少なくとも現象論的及び生態論的には植物種ごとに極めて多様である。したがって、主にシロイヌナズナの研究から得られた光形態形成や花成制御に関する知見を他の植物種に普遍化し、かつその多様性を理解することは、植物生理学の進展にとって必須のステップと考えられる。このような視点に立ち、今回は世界の穀類生産の1/3を占め多様な生態系を示すマメ科植物に焦点をあてた。ここでは、モデル植物としてゲノム情報の豊富なミヤコグサに関して光形態形成や花成制御に関与する遺伝子群のゲノムワイド俯瞰(インフォーマティクス)を行った。
具体的には、光受容体、光形態形成転写因子、光周性花成制御因子、FLC花成抑制経路、低温応答花成経路、及び花形成ABCモデル関連因子などに関してゲノムワイド俯瞰を行ったのでその詳細な情報を提供する。また、フロリゲン候補遺伝子FTの相同遺伝子を特定して、その花成促進機能を確認するなど、幾つの重要な点に関しては実験を行うことで情報を補強したので併せて報告する。
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© 2010 日本植物生理学会
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