日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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植物の器官形成に関与する新奇ペプチド性シグナル分子の同定
土田 祐平五十嵐 久子*矢部 公彦中森 ちひろ岡田 清孝
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p. 0531

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抄録
茎頂近傍では茎頂分裂組織の維持や側生器官の成長分化に機能を持つペプチド性シグナル因子がいくつか報告されておりその重要性が示唆されている。しかしながら、茎頂付近で起こる全ての現象を説明するには不十分であり、さらなるペプチド性シグナル因子の同定が不可欠である。
そこで本研究では、茎頂分裂組織に存在する新奇のペプチド性シグナル因子の同定を目的とし細胞間隙からのタンパク質の抽出と網羅的な解析を試みた。材料にはカリフラワーの花蕾およびそれに似た花序を形成するシロイヌナズナのap1 cal二重突然変異体の花蕾を用いた。カリフラワー由来の比較的高分子な3,000Da-18,000Daのタンパク質を二次元電気泳動により展開し、N末端配列解析により41種類を同定した。また、シロイヌナズナap1 cal由来の500 Da-4,000 DaのペプチドについてはLC-MS/MSを使用してショットガン解析を行い、339種類のタンパク質を同定した。上記二つの方法でカリフラワー及びap1 calから同定した機能未知タンパク質の中にはリガンドとして可能性が高いと考えられるものが30種類含まれていた。そのうちのいくつかについて合成ペプチドを作成し投与実験を行ったところ、いくつかのペプチドで根や茎頂分裂組織の構造に異常がみられた。
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© 2010 日本植物生理学会
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