日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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CLV3プロセシングの解析
*玉置 貴之別役 重之深尾 陽一朗藤原 正幸福田 裕穂澤 進一郎
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p. 0535

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抄録
植物の茎頂には茎頂分裂組織(SAM)が存在し、SAMに存在する未分化な幹細胞が分裂することによって新たな組織を生み出している。SAMは植物のシュートの形成に重要な役割を果たしており、SAMの制御は正常なシュートの形成に必須である。CLV3はSAMにおいて幹細胞の維持・分化の調節に関わっており、CLV1,CLV2,SOL2,CLI1 (木下ら、本大会発表参照)等、複数の受容体を介して機能することが示唆されている。CLV3は最初に96アミノ酸のペプチドとして翻訳される。その後、プロセシングを受け、13アミノ酸からなる成熟CLV3ペプチドとなる。しかし、CLV3のプロセシング経路は未だ明らかになっていない。そこで、我々はこの経路を明らかにすることを目的として研究を行っている。CLV3のプロセシングに関わる因子の候補としてペプチダーゼに着目し、その候補の1つとしてSOL1を解析している。sol1変異体はCLE19の過剰発現の効果を抑制する変異体として単離された(Casamitjana-Martinez et al. 2003)。sol1変異体は合成CLE19,CLV3に、野生型と同様に感受性を示した。このことはSOL1のCLE19プロセシングへの関与を示唆している。また、別のアプローチとして、MS解析による新たな候補の探索を行った。その結果、いくつかの候補が得られ、現在解析を行っている。
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© 2010 日本植物生理学会
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