日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナMSG2/IAA19の発現制御に関わる因子のプロモーターGFP系統を用いた突然変異体スクリーニング
*佐藤 敦子綿引 雅昭山本 興太朗
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p. 0557

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抄録
シロイヌナズナAux/IAA遺伝子族の一つであるMSG2/IAA19は胚軸屈性反応のマスター遺伝子と考えられ、黄化芽生え胚軸でよく発現しており、また根では中心柱と、根端領域の原生木部と後生木部に特異的な発現が観察される。今回IAA19の発現を調節している因子を探すことを目的として、IAA19プロモーターGFPラインにEMS処理を行い、M1種子から1系統ずつM2種子を収穫し、暗所芽生えのGFPシグナルの変化を指標に突然変異体のスクリーニングを行なった。約1000系統を調べたところ、GFPシグナルが変化している系統がおよそ3割得られ、それら変異体候補の半分は様々な表現型異常を示した。GFPシグナルが減少していた系統であるF10は根毛形成が異常で、野生型では根全体に根毛が形成されるが、F10の根ではほとんど生えない。しかし、その後の成長は野生型と変わらず成体での異常は特に観察されなかった。また、F10でのIAA19発現をReal-time PCR法で調べたところF10のIAA19 mRNAレベルは、野生型の約2割に減少していた。F10のマッピング解析を行なったところ、5番染色体に強い連鎖が観察された。今後、このスクリーニングで得られた変異体候補を順次マッピング解析して原因遺伝子を特定することで、IAA19の発現調節機構を明らかにしたい。
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© 2010 日本植物生理学会
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