日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

単細胞紅藻Cyanidioschzon merolaeにおけるオルガネラDNA複製の調節機構
*岩崎 義純小林 勇気華岡 光正田中 寛
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0562

詳細
抄録
単細胞紅藻Cyanidioschzon merolae(シゾン)において、暗所でG1期に同調した細胞に光を照射すると、まずオルガネラDNA複製(ODR)が起こり、その後に核DNA複製(NDR)が誘導される。この際、ODRを特異的に阻害するとNDRも同時に阻害されることから、ODRはNDRの誘導に必須であることが判る。我々のこれまでの研究で、色素体で合成されるMg-Protoporphyrin IXがODR後に細胞内に蓄積し、それに依存してCDKAが活性化されることでNDRが誘導されることが明らかになっている1, 2。一方、光によりODRが活性化される分子機構については全く不明のままである。最近我々は、CDKの活性を広く阻害する薬剤(Roscovitine)を用いた解析から、未知のCDK複合体がODR開始に必須であることを見出した。本研究では光によるODR活性に関わるCDK複合体を同定するために、DNA合成期における各種のCDKとCyclinの発現について解析を行ったので報告する。
1 Kobayashi et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U S A 106:803-807 (2009)
2 Kanesaki et al. Plant Signal. Behav. in press (2009)
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top