日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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SIZ1はサリチル酸蓄積の調節を行って細胞及び植物の成長を制御する
*三浦 謙治Lee Jiyoung三浦 友子Hasegawa Paul M.
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p. 0568

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抄録
翻訳後修飾SUMO化は真核生物における成長の制御に関わっているが、植物における役割はあまり分かっていない。我々はこれまでにSUMO E3リガーゼSIZ1の変異株がdwarf様表現型を示し、この表現型がサリチル酸蓄積とリンクしていることを明らかにしてきた。本発表ではSIZ1が細胞分裂及び細胞伸長に関わっており、これら細胞成長もサリチル酸の蓄積の制御によるものであることを示す。siz1植物はdwarf様の表現型を示すが、これは細胞分裂及び細胞伸長の減少に依るものであった。siz1植物はサリチル酸を蓄積しているが、サリチル酸濃度を減少させるためnahGを導入した植物(siz1 nahG)では細胞分裂、伸長が回復し、植物成長も回復した。サリチル酸による細胞伸長を制御する候補遺伝子として細胞壁構築、再編に関わるXTH遺伝子に注目してその発現量を調べた。すると、XTH8及びXTH31の発現量がサリチル酸蓄積変異株siz1では減少し、サリチル酸濃度を低下させたsiz1 nahGでは発現量が回復していた。これらの結果から、XTH8及びXTH31がサリチル酸による細胞伸長制御に関わる遺伝子である可能性が示唆された。
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© 2010 日本植物生理学会
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