日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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ミヤコグサのヘモグロビン還元酵素遺伝子の発現特性
*王 越村上 英一角 友博九町 健一阿部 美紀子内海 俊樹
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p. 0606

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抄録
マメ科植物は、根粒を着生して根粒菌と共生する。根粒細胞内部に共生する根粒菌は、大気中の分子状窒素をアンモニアへと固定し、マメ科植物に供給している。窒素固定反応は、大きなエネルギーを必要とする反応であり、根粒菌はマメ科植物から供給される光合成産物を基質とした酸素呼吸により、必要なエネルギーを生み出している。
レグヘモグロビン(leghemoglobin, Lb)は、根粒中に特異的に存在し、根粒菌の呼吸に必要な酸素を供給しつつ、ニトロゲナーゼが失活しない程度に酸素分圧を維持する。Lbは、
Lb2+、Lb3+、Lb4+の三つの酸化状態をとりうるが、多くは酸素分子と結合した状態(Lb2+)で存在していると考えられている。Lb2+は、根粒菌の呼吸に必要な酸素を供給するため、酸素と解離してLb3+となる。Lb3+が再び酸素と結合するためには、二価へ還元される必要がある。このヘモグロビンのリサイクルを可能としているのが、ヘモグロビン(Hb)還元酵素である。根粒内部におけるHb還元酵素の活性は、窒素固定活性にも影響を及ぼす重要な要素と考えられる。本研究では、ミヤコグサとその根粒菌の共生系を材料として、Hb還元酵素遺伝子の発現特性を解析した。
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© 2010 日本植物生理学会
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