日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

シロイヌナズナにおけるPG合成に関わるPGP合成酵素遺伝子の機能解析
*田上 遼片山 健太和田 元
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0614

詳細
抄録
ホスファチジルグリセロール(PG)は生体膜を構成するリン脂質の一つである。植物において、PGはプラスチド、ミトコンドリアと小胞体で合成され、シロイヌナズナでは、PG合成に関与するPGリン酸合成酵素をコードする遺伝子としてPGP1 PGP2が同定されている。PGP1 はプラスチドとミトコンドリア、PGP2 は小胞体に局在すると考えられている。pgp1変異体は正常な葉緑体を形成することができないが、ミトコンドリアは正常である。ミトコンドリアが正常である理由としては、小胞体でPGP2依存的に合成されるPGがミトコンドリアへ輸送されているためであると推測されている。本研究では、PGP2の機能を解析するためにpgp2変異体を取得し解析を行った。
新たに取得したpgp2-1変異体を解析したところ、通常の条件下では成長の遅延などの表現型は見られなかったので、pgp1 pgp2-1二重変異体の作出を試みた。しかし、二重変異体を分離することはできなかった。その原因を探るためにPGP1/pgp1 pgp2-1/pgp2-1を自家受粉させて得られた胚を解析したところ、二重変異体は胚発生を途中の段階で停止することが示唆された。また、PGP1のプロモーターGUS解析を行ったところ、維管束、孔辺細胞、若い葉のトライコームの根元の細胞などで強い染色が見られた。
著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top