日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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ペプチドグリカン結合ドメインを持つ葉緑体核タンパク質をコードするpTAC5のヒメツリガネゴケ相同遺伝子の解析
*松本 ゆり武智 克彰滝尾 進高野 博嘉
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p. 0626

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抄録
葉緑体DNAとタンパク質との高次複合体である葉緑体核(核様体)は遺伝情報の保存、複製、分配、転写といった葉緑体ゲノムの機能的場として存在している。近年、アフィニティークロマトグラフィーを含めた方法を用い、シロイヌナズナ葉緑体よりtranscriptionally active chromosomes (TAC)が単離され、その中に存在するタンパク質(pTACタンパク質)がMS解析で同定された(Pfalz et al.2006)。我々は蘚類ヒメツリガネゴケを用いてペプチドグリカン合成系遺伝子が葉緑体分裂に関与することを明らかにしている。pTACの内の一つ、pTAC5はペプチドグリカン結合ドメインを持つと予測されたため、この遺伝子について解析を進めることにした。pTAC5はヒメツリガネゴケゲノム中では単一遺伝子であり、また藻類のゲノム配列からは相同遺伝子が見いだせなかった。遺伝子産物の細胞内局在を明らかにするために、ヒメツリガネゴケでpTAC5全長-GFP融合タンパク質を一過的に発現させたところ、葉緑体中に存在する粒子状のGFP蛍光が観察された。現在、pTAC5の遺伝子破壊ラインを作成中であり、その結果も合わせて報告する。
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© 2010 日本植物生理学会
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