日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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オオムギPIP1型と2型アクアポリンのへテロマー形成の分子機構
*堀江 智明且原 真木
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p. 0631

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抄録
原形質膜型アクアポリン(Plasma membrane Intrinsic Protein: PIP)は、原形質膜を介した植物の水輸送の中枢を担うタンパク質である。アフリカツメガエル卵母細胞を用いた水輸送活性解析において、概して、単独では水輸送活性を示さないオオムギ(Hordeum vulgare)のHvPIP1型は、HvPIP2型とヘテロマーを形成することで、水輸送に関与している事が明らかとなってきている。
HvPIP2;1と、5種のHvPIP1型それぞれの共発現解析を行った結果、HvPIP1;3を除く全ての1型が、HvPIP2;1の水輸送活性を増強する事が判明した。HvPIP1型のアミノ酸配列を比較したところ、HvPIP1;3以外の全ての1型で保存されているアミノ酸が、N末端付近に2ヶ所存在した。HvPIP1;3内のそれらの部位に相当するアミノ酸 (His-18, Phe-43)に、単独、もしくは重複で点変異を施し、他の1型で保存されているArgとLeuに変換した変異HvPIP1;3を用いて、HvPIP2;1との共発現解析を行うと、いずれの点変異型HvPIP1;3も顕著にHvPIP2;1の水輸送活性を増強させた。HvPIP1;2, HvPIP1;4の相当するアミノ酸にも各変異を加えその効果を検証し、ヘテロマー形成分子機構について議論する。(生研センター基盤研究推進事業による)
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© 2010 日本植物生理学会
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