日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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サンパチェンスRTのカドミウム汚染土壌浄化能力
*山田 貴文富岡 利恵竹中 千里加々美 勉
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p. 0686

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抄録
サンパチェンスRTは、(株)サカタのタネが新しく開発したインパチェンス属の種間雑種であり、その花つきや花もちのさから観賞用として人気のある1年草の園芸植物である。サンパチェンスRTは耐暑性が高く、また根張りが強く生育が画期的に旺盛であり、また蒸散量が多いため、一般的な花壇用植物に比べ、植物体表面温度が低くなり、ヒートアイランド対策にも有望視されている。さらに、サンパチェンスRTはNO2やホルムアルデヒドなどの大気中の汚染物質を吸収する高い大気浄化能力を持つことが確認されており、この高い成長力と吸収能力から土壌中の汚染物質の吸収、除去への利用が期待できる。
そこで本研究では、サンパチェンスRTの汚染土壌浄化への利用可能性を検討することを目的に、根圏へのカドミウム(Cd)添加実験を行い、サンパチェンスRTのCd耐性、蓄積について詳細に調べた。実験としてCd溶液処理をした水耕実験とCd汚染土壌に植栽した土耕実験を行った。水耕実験ではCd濃度による光合成活性の影響などの生理的応答について、土耕実験ではCd汚染土壌への適応とCdの各部位における蓄積能力について調べた。
RT:サンパチェンスは(株)サカタのタネの登録商標
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© 2010 日本植物生理学会
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