日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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iTRAQ解析を用いた過剰量亜鉛による成育阻害機構の解明
*深尾 陽一朗西森 由佳長崎 菜穂子富岡 利恵Ferjani Ali藤原 正幸前島 正義
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p. 0688

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抄録
亜鉛は植物の生育に必須な微量栄養元素であり、多くの酵素が機能する上で重要な役割を持つ。しかしながら、細胞内における亜鉛濃度が高まると、植物はクロロシスや根の伸長阻害などの成育阻害を受ける。このことから、細胞は亜鉛濃度を一定に保つための恒常性維持機構を持っている。
本研究では、亜鉛恒常性維持機構の解明を目的とし、iTRAQ解析法を用いた定量プロテオーム解析を行った。本実験にはシロイヌナズナ野生型Col-0を用いた。Col-0はMS培地に300μM亜鉛が含まれるときに顕著な成育阻害を示すため、この条件を過剰量亜鉛培地とした。コントロールとして用いたMS培地、または過剰量亜鉛培地で10日間成育したCol-0の根よりそれぞれマイクロソーム画分を単離し、過剰量亜鉛に応答するタンパク質群の定量解析に用いた。この結果、輸送体などの膜タンパク質を含む1000以上のタンパク質について定量結果が得られた。本発表では、これらの結果から、過剰量亜鉛に対する成育阻害機構、亜鉛恒常性維持機構について議論する。
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© 2010 日本植物生理学会
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