日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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カラシナ種子よりディフェンシン蛋白質Bj-AFP1の単離
*提箸 祥幸小黒 芳文高久 洋暁川田 元滋矢頭 治
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p. 0714

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抄録
アブラナ科野菜は抗菌性物質を有していることが知られており、種子の発芽時における糸状菌の感染などを防ぐ効果を持つと考えられる。この代表的な物質としてディフェンシンと呼ばれる一群のポリペプチドが存在する。ディフェンシンは広く生物界に存在し、アミノ酸レベルでの構造、抗菌活性スペクトラムには生物ごとにそれぞれ共通の特徴を有している。アブラナ科野菜の持つディフェンシンは糸状菌に抗菌活性を示すものが多い。
我々はカラシナ(Brassica juncea)に注目し、ディフェンシンの活性と構造との関係に知見を加えることを目的として、ディフェンシン蛋白質の取得を試みた。カラシナの種子を材料とし、イネいもち病菌に対する抗菌活性を指標に蛋白質の精製を行った。精製した蛋白質の同定を行ったところRaphanus sativusのRs-AFP1と同一のアミノ酸配列を有する51アミノ酸から構成されるポリペプチドでありBj-AFP1と命名した。精製したBj-AFP1はイネいもち病菌Magnaporthe grisea、ヒトの日和見感染菌であるCandida albicansに対し抗菌活性を示した。
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© 2010 日本植物生理学会
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