抄録
国立遺伝学研究所のDNA Data Bank of Japan(DDBJ)では、次世代シークエンサーのデータ登録システム「DDBJ Read Archive」を起点に、Genome Mappingやde novo Assemblyの自動処理を行ない、次に構造・機能注釈ツールへと接続を行う「DDBJ Read Annotation Pipeline」を構築している。提案パイプラインは、実験研究者でもGUI画面上の操作のみで解析結果を得る事ができる。本発表では、パイプラインの解析事例としてillumina 社 Genome Analyzer IIxを用いて、全ゲノム配列が未知のイネ近縁種ゲノムのシークエンス解析を行い、リファレンスゲノム配列との比較を行った結果を報告する。最初にAAゲノムの野生型イネ:O.longistaminataの2系統について試験実験を行った。系統毎に75bpのリード長で約12M x 2のpaired-endのリード配列を得た。2系統のリード配列をO.sativa(日本晴)ゲノムにアライメントした所、リードのベース位置毎のエラー率は、75bp目で2系統共に2%以下の高精度であった。また日本晴の全ゲノムに対する被覆率は、2系統ともに約40%であった。SNP解析やIns/Del解析も含めて、AAゲノム野生イネ2系統と日本晴の比較解析結果を報告する。