日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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新規シスエレメント予測プログラム(MAMA)の開発(第二報:イネ、シロイヌナズナ、ヒトでの応用)
*筧 雄介小林 高範小郷 裕子板井 玲子中西 啓仁西澤 直子
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p. 0736

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抄録
遺伝子の発現は、転写因子がプロモーター領域のシスエレメントに特異的に結合することによって制御されている。従って遺伝子の発現制御を理解するためには、プロモーター中のシスエレメントを特定することが重要となる。しかし、真核生物(特に高等生物)におけるシスエレメントは6-8bpと短いものが多く、それらと相同な配列がゲノム上のあらゆる場所に高頻度で存在するため、既存の予測メソッドで見つかるものは少なかった。我々は、マイクロアレイ解析の結果と、配列の分布の関連性を利用した、より高感度なシスエレメント予測プログラム MAMA (Microarray Associated Motif Analysis program) を開発した。MAMAは、発現の誘導率の高い遺伝子のプロモーター中での保存性が高く、転写開始点付近に高頻度に存在する配列を抽出する。MAMAを鉄欠乏ストレスのイネ、塩ストレス処理をしたシロイヌナズナ、およびcAMP作動物質Forskolin処理をしたヒトのマイクロアレイ結果に適用した。いずれの場合も、これらの処理で機能すると報告されているシスエレメントを最上位に含む結果が得られた。MAMAがシスエレメントを予測する能力が高いことが示された。前回の発表で、メソッドの概略を報告したが、今回、上記の予測で得られた新たなシスエレメント候補について詳細に報告する。
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© 2010 日本植物生理学会
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