日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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C/Nバランス制御におけるプラスチド型インベルターゼの生理機能
*丸田 隆典水内 香那大鳥 久美多淵 知樹田茂井 政宏重岡 成
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p. 0760

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抄録
高等植物の炭素(C)と窒素(N)の代謝はそれらの絶妙なバランス(C/Nバランス)により厳密に制御されている。我々は、C/Nバランスの制御機構の解明を目的として、100 mM ショ糖を含む培地上で子葉が黄化するシロイヌナズナ変異株(sicy-192)を単離し、プラスチド型の塩基性/中性インベルターゼをコードする遺伝子(INV-E)に点突然変異(Cys294がTyrへ置換)が生じていることを明らかにした。INV-Eノックアウト株ではsicy-192の表現型が現れなかったが、INV-Eノックアウト株へ変異型INV-E(INV-E:C294Y)あるいはCys294を持たないラン藻INVSsINV)を発現させると、sicy-192株と同様の表現型が現れた。一方、INV-E:C294Yの酵素学的性質は、野生型INV-Eと同じであった。100 mMショ糖添加培地上において、sicy-192では光合成関連酵素の発現抑制が認められたが、硝酸還元酵素の活性上昇とともに、硝酸およびグルタミン酸レベルの上昇が認められた。以上の結果より、INV-EのCys294は、光合成装置構築時おけるC/Nバランス制御に重要であることが示唆された。現在、INV-Eへの点突然変異が生体内におけるINV-Eの活性および安定性に及ぼす影響について解析している。
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© 2010 日本植物生理学会
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