日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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海洋性珪藻 Phaeodactylum tricornutum における CO2 シグナル伝達経路の解析
*木村 あゆみ井上 拓也北原 悠平松田 祐介
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p. 0759

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抄録
海洋性珪藻 Phaeodactylum tricornutum の葉緑体β型 carbonic anhydrase (PtCA1)は、cAMP を介し、CO2 シグナルによって発現制御を受けることが明らかとなっている。ptca1 プロモーターの CO2 応答性シスエレメントには、bZIP 型の転写因子が結合することがわかっているが、その上流シグナル系は不明である。本研究では、 P. tricornutum で cAMP シグナルを受けて ptca1 プロモーター領域内の CO2 / cAMP 応答性配列 (CCRE) へ結合する転写因子の網羅およびこれらの局在解析を行った。ヒト ATF6 ファミリーの P. tricornutum のホモログ配列 (PtbZIP1~8) をクローン化し、大腸菌での発現を行った。また、すでに CCRE 結合能が判明している PtbZIP7 については GFP 標識による局在解析を行ったところ、核への局在が示された。一方、 cAMP シグナルの発生部位を特定するためのツールとして、ヒト Epac1 を蛍光分子 CFPと YFP / Venus の間に挿入し、大腸菌 BL21 (DE3) および P. tricornutum に発現させた。この融合タンパク質のFRET 強度と cAMP 濃度との関連を検証した。
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© 2010 日本植物生理学会
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