日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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シアノバクテリアDnaAの概日時計機構における機能
*北山 陽子西脇 妙子近藤 孝男
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p. 0761

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抄録
多くの生物は昼夜の環境変動に適応するため、体内に約24時間周期のリズムを発生する概日時計を持っており、シアノバクテリアは概日時計をもつ最も単純な生物として知られている。これまでの研究からシアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC 7942の概日リズム発生にはkaiABC遺伝子群が必須であり、なかでも時計タンパク質KaiCが中心的役割を担っていることがわかっている。私達はKaiCに結合するタンパク質のスクリーニングを行い、DNA複製因子DnaAを同定した。DnaAを破壊したSynechococcusはその概日リズムの周期が短周期になり、DnaAとKaiCは細胞内において時刻特異的に複合体を形成していることがわかった。また、dnaA破壊株は環境の明暗変化に対して野生株と異なる応答を示すことがわかった。これらの結果から、SynechococcusのDnaAは、概日時計の光同調機構に関与することで概日リズムを調節する機能をもつことを示唆している。
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© 2010 日本植物生理学会
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