日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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ヒメツリガネゴケにおけるPpAN 遺伝子の発現部位と機能相補解析
*樋口 智文武智 克彰沖田 友美宮島 兼佑山本 慈恵滝尾 進南澤 直子塚谷 裕一高野 博嘉
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p. 0794

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抄録
シロイヌナズナのANGUSTIFOLIA(AN)は、葉の細胞の横方向への極性伸長に関わることが示唆されている。ANは動物の発生に重要なCtBP/BARSの、植物ホモログであり、CtBP/BARSには存在しない約200アミノ酸のC末端配列をもつ。またANは細胞内でゴルジ体近傍に局在する(南澤ら、本大会)。我々はヒメツリガネゴケから、AN相同遺伝子PpAN1-1,1-2と、植物特有のC末端領域を持たないPpAN2-1,2-2を見出した。ノーザン解析から、PpAN1-1,1-2は茎葉体、原糸体共に発現し、PpAN1-1の発現量が多いこと、PpAN2-1,2-2は茎葉体での発現が強く、特にPpAN2-1の発現量が多いことが、明らかとなった。プロモーターGUS法により発現様式を解析したところ、PpAN1-1は茎葉体の茎の上部から基部まで強く発現する一方、PpAN2-1は茎の上部で強く発現していた。4つのPpAN遺伝子の単一破壊ライン、およびPpAN1-1/1-22-1/2-2二重破壊ラインを作製中であり、形態観察を行なう予定である。4つのPpAN遺伝子をシロイヌナズナan-1変異ラインに導入し、機能相補解析を行っている。C末端領域の重要性を確認するためにC末端領域を欠失したAN遺伝子も用い、an-1ラインに導入した結果、PpAN2-1、2-2、C末端領域を欠くANで表現型の回復が見られた。
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© 2010 日本植物生理学会
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