日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナC/N応答制御ユビキチンリガーゼATL31及びATL6二重変異体の表現型に着目した解析
*前川 修吾佐藤 長緒安田 盛貴百目木 幸枝山口 淳二
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p. 0810

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抄録
植物において,糖(C)と窒素(N)は有機物合成の基幹的2大栄養素であり,これらの代謝は互いにクロストークしている.それゆえ,植物は細胞内のCとNのバランス(C/N)を感知・制御することで,栄養応答や老化等の様々な事象において,個体の生育を最適化している.我々は,C/Nストレス耐性変異体のスクリーニングから,新規C/N応答制御遺伝子ATL31を単離した(Sato et al. Plant J, 60: 852, 2009).ATL31はユビキチンリガーゼATLファミリーに属しており,その最も相同性の高いホモログATL6が存在する.その後の解析により,ATL31ATL6の過剰発現体ではC/Nストレスに耐性になり,その逆にKO変異体ではC/Nストレスに過剰応答することがわかった.さらなる詳細な解析のために二重変異体(atl31-1 atl6-1)の作出をおこなったところ,atl31-1 atl6-1は本葉の黄化,主根の伸長促進という,一重変異体ではみられない表現型を示した.どちらの表現型もC/N応答制御の異常が原因と考えられるものであり,両遺伝子がC/N応答制御の重要な機能を担っていることが示唆された.現在,atl31-1 atl6-1の表現型に着目した詳細な解析を行っており,本発表では両遺伝子がC/N応答制御にどのように関与しているのかについて議論したい.
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© 2010 日本植物生理学会
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