日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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ルシフェラーゼ・レポーター系を用いたCO2非感受性変異株の単離と解析
*東 健太朗久保 雄昭松尾 拓哉石浦 正寛福澤 秀哉
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p. 0851

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抄録
緑藻クラミドモナスは,周囲の無機炭素 (Inorganic carbon: Ci) 濃度が低い条件 (LC条件) に順化して、能動的に細胞内にCO2を取り込むよう光合成特性を変化させる。これはCO2濃縮機構 (Carbon-Concentrating Mechanism: CCM) の誘導による。CCMに関与する細胞表層炭酸脱水酵素の遺伝子Cah1の発現は光照射・LC条件下でCCM1並びにMYB転写因子LCR1を介して誘導される。また、ミトコンドリア炭酸脱水酵素の遺伝子Cah4も光照射・LC条件下で誘導される。両者の遺伝子は高CO2濃度条件 (HC条件)で抑制を受けるが、その抑制機構に関わる調節因子は未同定である。Cah4の発現制御に関わる新奇調節因子の同定を目的とし、Cah4の5’上流領域約2kBにルシフェラーゼ遺伝子 (LucNC)を連結し、野生株に導入したところ、LC条件においてHC条件の35倍のLuc活性を誘導する株を得た。この株を宿主として,ハイグロマイシン耐性遺伝子 (APHVII)のタグを導入した形質転換株の作出、LC条件でルシフェラーゼ活性が低下した株、もしくはHC条件でルシフェラーゼ活性が上昇した株の単離について報告する。
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© 2010 日本植物生理学会
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