日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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植物アセチルコリンエステラーゼの細胞内局在性
*小林 智也山本 紘輔小栗 秀桃木 芳枝
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p. 0881

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抄録
これまで植物アセチルコリンエステラーゼ(AChE)の局在性は,組織化学的検出法やDTNB法を用いて行ってきた.トウモロコシ幼苗では鞘葉節の皮層細胞でAChE活性が検出された.また本研究室では,トウモロコシおよびサイラトロ幼苗よりAChE遺伝子を単離することに成功した.また,トウモロコシAChE(maize AChE)と相同性の高い2種類のAChEホモログ遺伝子を発見し,rice AChE1および2とした.これらの遺伝子にはシグナルペプチドが含まれ,細胞外に存在する分泌タンパク質であると予測された.さらにmaize AChE抗体を作製し,トウモロコシ幼苗におけるmaize AChEの局在性を観察した.Maize AChEは鞘葉,鞘葉節および胚軸の維管束,種子の内胚乳,根の維管束および内皮細胞で確認された.本研究では,maize AChE,rice AChE1および2をイネに導入し過剰発現体を作出した.そのイネ過剰発現体の葉を用いて,蛍光免疫染色法により各植物AChEの細胞内局在性を観察した.その結果,イネ過剰発現体では各植物AChEは細胞外領域に局在していた.現在,緑色蛍光タンパク質(GFP)を用いて各植物AChEの細胞内局在性を検討している.
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© 2010 日本植物生理学会
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