日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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FOXハンティングシステムを利用したイネの環境ストレス耐性関連遺伝子のスクリーニング
*黒谷 賢一山中 一将小川 大輔水谷 恵戸田 陽介田中 舞子山本 章子加藤 大和市川 裕章服部 束穂武田 真
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p. 0922

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抄録
本研究ではFOXハンティング法を利用して環境ストレス耐性に関わるイネ遺伝子群を探索し、それらの遺伝子の有効な活用法を開発することを目指している。イネにおいて塩や低温等種々の環境ストレスに対する耐性メカニズムが重複している点に着目し、耐塩性を獲得した遺伝子過剰発現系統の選抜を行う。イネの耐塩性選抜系を確立し、既存FOX系統種子およびT0形質転換植物を用いて包括的なスクリーニングを行っている。また、植物のストレス耐性に関する研究基盤を元に、およそ100種の環境ストレス耐性関連遺伝子群(TOP100)を選定し、種々のストレスに対する耐性の評価やストレス耐性植物作出の為のリソースとして活用すべく各系統の種子ストックの整備を行っている(戦略的FOX系統)。
現在、新たに作出したT0植物215系統、および約15,000系統の農業生物資源研究所のFOXイネ系統種子コレクションのうち約2,200系統について、順次高耐塩性系統の選抜を行い、候補系統を得た。また、戦略的FOX系統TOP100の候補として選定した遺伝子のうち72遺伝子について過剰発現系統の整備を行い、耐塩性試験を実施している。一方、ストレス耐性系統として登録されている既存イネ品種・系統群から、複数の塩耐性候補系統を得ている。今後ストレス耐性遺伝子導入との組合わせ試験を行い、より高いストレス耐性の獲得を目指す予定である。
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© 2010 日本植物生理学会
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