日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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ハマニンニク (Leymus mollis)からの塩、乾燥ストレスに応答する遺伝子の同定と発現解析
*Eltayeb Habora Mohamed ElsadigEltayeb Amin Elsadig辻本 壽Tanaka Kiyoshi
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p. 0933

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抄録
ハマニンニク(Leymus mollis)は海岸に育ち、高塩水、冠水に適応している。また、本植物はコムギ(Triticum aestivum)の野生類縁種でコムギの品種改良の重要な遺伝資源と考えられている。私たちはSSH法でハマニンニクから乾燥と塩に応答する遺伝子を同定した。21種の遺伝子を同定し、異なった調節を受けることが確認された。葉緑体イノシトールフォスファターゼ(CIP)、フォスフォエタノールアミンメチルトランスフェラーゼ(PEAMT)、ETTIN様オーキシン応答因子(ARF)と未知遺伝子乾燥ストレス課で高調節された。一方、アレンオキシドシクラーゼ(AOC)とメチルジャスモン酸誘導性リポキシゲナーゼ(LOX)遺伝子は塩ストレスで高調節された。これらの遺伝子はジャスモン酸やアブシジン酸への応答において異なった調節を受けることが示された。ハマニンニクを用いたサザン分析でPEAMT、CIP 、ARFは中国春コムギと比べて、多くのイソ遺伝子が存在することが示された。これらの遺伝子の同定、機能解析は、育種、遺伝子導入によるストレス耐性コムギの開発にとって有益な情報をもたらす。
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© 2010 日本植物生理学会
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